BDFの蒸留
天ぷら鍋を過度に熱しすぎると油煙があがります。あの状態を油が気化してしているといいます。
BDFはその液中に少量の油そのもの(トリグリセリド)と燃料に変化したもの(エステル)が混在して
います。エステルとトリグリセリドの気化する温度の違いを利用して、加熱してBDF液中からエステル
部分だけを取り出すのが蒸留です。取り出したエステル濃度は99%を超えます。
少しでも低い温度で処理をするためこの処理は減圧下(真空に近い状態)で行います。それでも150℃
以上の高温にしなければなりません。
富士山の頂上ではお湯が70℃で沸騰するって聞いたことありませんか?気圧が低いと沸点が下がるという
原理を利用しているのです。
ついでに似たような言葉で
BDFの減圧脱水 があります。
真空脱水とも呼びます。BDFを水で洗浄すると液中に水分が残り白濁します。BDFと水分の気化する
温度(沸点)の違いを利用して、加熱して水分だけを取り出すのが減圧脱水です。減圧下(真空に近い状態)
で行うことにより100℃以下の80℃程度で水分は気化します。低温で処理することによりBDFを痛めません。
もうひとつおまけに
メタノール回収
反応直後のBDF部分やグリセリン部分には余剰となったメタノールが残留しております。
これを上記二つと同じように沸点の違いを利用してメタノール分だけを取りだすことができます。この目的は
取り出したメタノールをまた反応に再利用することです。BDFの中からメタノール分を完全除去することは
できませんので、除去を目的とした場合は更に別な工程が必要です。60℃くらいの温度で処理を行います。
上記3工程は密閉された頑丈な容器が必要となりますので、プラントもそれなりものとなります。
エステルボーイマルチシリーズや開発中のVシリーズがこれに該当します。